研究課題
グラム陰性偏性嫌気性細菌 Geobacter sulfurreducens 由来の ExtH は、2つのロダネーゼホモロジードメイン(RHOD)を有する機能未知タンパク質である。ロダネーゼとは、硫黄(S)転移酵素の一種で、チオ硫酸塩からシアン化物にS 原子を転移する反応を触媒する酵素である。ExtH は、これら生物種問わず広く存在するユビキタスなロダネーゼと10%程度の低いアミノ酸配列相同性しか示さず、ExtH近縁ホモログは Geobacter 属細菌にのみ高く保存されている。また、extH 遺伝子は、当研究室で同定されたユニークなマルチヘム含有セレノタンパク質 multiheme-containing selenoprotein (MHSEP) 遺伝子(extKL)とオペロン(extHIJKLMNOPQS)を形成している。pColdI にextH を挿入した発現用ベクターを大腸菌BL21(DE3) 株に導入した。IPTG 添加とコールドショックによりextHの発現誘導を行ったところ、可溶性画分と不溶性画分の両方にExtHの存在が認められた。酵素活性は、ExtHが触媒する基質チオ硫酸(S2O32-) からCN-への硫黄転移反応により生成するSCN- を、鉄(III) イオンを用いて呈色させる方法にて測定した。可溶性画分と不溶性画分に約50%ずつの活性が認められた。可溶性画分からの本酵素のアフィニティー精製を試みたがカラムに非吸着であったため、不溶性画分の本酵素をCHAPSにより可溶化して精製を行った。得られた精製酵素の至適pHは8.5、至適温度は55°Cであり、40°C、1 h の熱処理では約90%の活性を保持していた。S2O32-に対するKm は9.5 mM、Vmax は370 micromol/min/mgであった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - General Subjects
巻: 1862 ページ: 2433~2440
10.1016/j.bbagen.2018.05.023
http://research-db.ritsumei.ac.jp/Profiles/64/0006361/profile.html