研究課題
1)未分化期のホタテガイへのpyGnRH11AAとpyGnRH12AA投与の影響卵巣においては、10月の未分化期から12月の成長期にかけての実験では、ペプチド投与による卵母細胞の成長への影響は明確には確認できなかった。一方、精巣では、無投与群に比べて対照群、pyGnRH11AA、pyGnRH12AA投与群において精原細胞群の割合が小さくなったが、pyGnRH11AAとpyGnRH12AA投与群が無投与群に比べ大きくなる傾向が認められ、ペプチド投与による精原細胞から精母細胞への分化の促進が認められた。性特異的遺伝子の発現を見ると、細胞学的な変化は見られなかった卵巣での雌特異的遺伝子foxl2の発現量は、pyGnRH12AAによって高い値を示した。一方精巣では、pyGnRH12AAを投与した区では雄特異的遺伝子dmrtの発現が有意に減少し、foxl2の発現が上昇する傾向にあった。おそらく、pyGnRH12AAは雌性化に働いているのではないかと考えられた。2)未分化期及び成長期の精巣培養組織に対するpyGnRH11AAとpyGnRH12AA添加の影響pyGnRH11AA添加によって、成長期精巣での精子形成が促進される傾向が認められた。pyGnRH11AAを1×10-5M添加した区では対照群に比べて雄特異的遺伝子dmrtの発現を上昇させる傾向にあった。一方、pyGnRH11AAに対して、pyGnRH12AAを1×10-4Mで競合させた区ではdmrtの発現を有意に低下させた。すなわち、pyGnRH11AAに対して応答していることを報告しているpyGnRH受容体上でpyGnRH12AAが阻害的に働いている可能性が示唆された。総括するとpyGnRH11AAは雄性化に、pyGnRH12AAはその作用に対して拮抗的に働き雌性化に関与しているらしいと考えられた。
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