本研究では、発情行動に第一義的役割を果たすエストロジェンの受容体(ER)発現を局所的にノックアウトできる遺伝子改変ヤギを作出し、反芻家畜の発情行動を制御する神経機構を解明することを目的とした。ホルモン処置により発情行動を誘起するモデルを構築し、発情に伴う行動量の増加はヤギの発情行動を評価する定量的指標となることを明らかにした。ヤギER遺伝子mRNAの塩基配列および推定アミノ酸配列を同定し、受精卵エレクトロポレーション法によるゲノム編集技術を導入するため、ヤギの遺伝子工学技術の最適化を行った。また、ヤギERが発現する脳領域に微量投与用カニューレを留置する手法を開発した。
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