今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は以下のように研究を推進する予定である。1)引き続き神経疾患の自然発症例を収集し、血清および脳脊髄液サンプル採取を継続して行う。また、病理解剖により確定診断をつけることができた症例についてはS100B、NSEなどの既知神経障害マーカーを測定してその意義を検討し、積極的に症例報告としてその知見を公表する。2)プロテオーム解析による新規蛋白マーカーの検索:採取保存されている症例の脳脊髄液を材料に二次元電気泳動を行い,疾患特異的蛋白質を検索する。疾患特異的スポットがみられた場合には,質量分析法により蛋白質の同定を行い、診断に有用な蛋白質の性状を解析する。3)体液中疾患特異的遺伝子マーカーの検索として、神経疾患症例からRNA解析用サンプルとしてのCSFおよび血液を採取し、mRNA抽出後ランダムプライマーと逆転写酵素を用いて cDNA を合成する。IL-1, IL-2, IL-4, IL-6, IL-12, TNF, IFN など主要なインターロイキン遺伝子、およびS100B, NSE, Tau,GFAP, Nestin, NeuN, Fox3, Neurofilament, Periplerin 等の神経細胞に関連する蛋白質をコードする遺伝子に注目して各種疾患発症時のCSF および末梢血液中の発現状況を定量的 RT-PCR 法により遺伝子発現状況を明らかにする。 4)牛の血清および脳脊髄液中ネオスポラ抗体の診断的意義を明らかにするために、各種神経疾患及び健常牛のネオスポラ抗体保有状況および抗体値を測定する。
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