研究課題
①細胞外マトリクスの物理的条件が幹細胞に与える影響の解析アクリルアミドモノマー濃度の調節により硬さ(ヤング率)を変えることができるポリアクリルアミドゲルを物理的支持体とし、これにSulfo-SAMPAHをリンカーとして細胞外マトリクス成分を共有結合させた、硬度可変ゲルを作製した。まずモデル実験として、ゼラチンを結合させたゲルを作製したところ、胚性ガン細胞F9及びマウスES細胞を接着させ培養することができた。そこで、このゲルにラミニン(精子幹細胞培養に用いられる細胞外マトリクス成分)を結合させたゲルを作製し、GS細胞(Germline Stem cell: 培養精子幹細胞)を播種した。培養当初はGS細胞がゲルに接着する像が見られたものの、再度マトリクスから剥離し、ほとんどの細胞が浮遊状態でコロニーを作り増殖した。理由として、ラミニン結合量が不適当である(不足/過剰)、ラミニンの細胞接着活性がゲルとの共有結合により失われる、などの理由が考えられる。②精子幹細胞自己複製因子GDNFとFGF2の違いGDNFとFGF2は共に精子幹細胞の生存と自己複製を保証する。しかし、細胞を静電的相互作用で強制的・非特異的に接着させるポリ-L-リジンをコートした細胞培養皿の上でGS細胞を培養すると、GDNF存在下では生存するが、FGF2存在下では速やかに死滅する。このことは、FGF2による生存・自己複製シグナルが細胞接着因子依存性に作用すること、GDNFのそれが非依存性であることを示している。この二つの因子のin vivoでの機能を見るために、ゼラチン微粒子にこれらの因子を吸着させin vivo精巣内の未分化型制限細胞に作用させた所、因子の違いにより未分化型制限細胞の挙動にも違いが現れた。この現象を解析し、Stem Cell Reports誌及びJ. Reprod. Dev.誌に報告した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 その他
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J. Reprod. Dev.
巻: 22 ページ: 267-275
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Stem Cell Rep.
巻: 10 ページ: 1782-1792
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Reproductive Medicine and Biology
巻: 17 ページ: 398~406
10.1002/rmb2.12220
https://scholar.google.co.jp/citations?hl=ja&user=5DfgXjIAAAAJ&view_op=list_works&sortby=pubdate
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