本研究は、精子幹細胞の生存と自己複製を担保する『増殖因子』と『細胞接着』のそれぞれの役割とその相互作用を明らかにするために行った。結果、GS細胞の幹細胞性における接着分子ー細胞外マトリクス(ECM)の組み合わせは厳密に決まっていないことが判明した。一方、ECMの物理特性の影響の検証を行うべく、硬さ可変ECMの作出を行ったが、GS細胞の接着が可能な人工ECMの作製には至らなかった。 一方この研究の過程で、2つの精子幹細胞自己複製因子のin vivoでの機能の違いを解析し、GDNFはより未分化な、FGF2は分化誘導に感受性の高い未分化型精原細胞の細胞集団を増加させることを明らかにした。
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