研究課題/領域番号 |
16H05049
|
研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
中村 伸吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 講師 (00505323)
|
研究分担者 |
石原 雅之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 教授 (10508500)
佐藤 正宏 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30287099)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 准教授 (90372945)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 遺伝子導入 / ゲノム編集 / 遺伝子改変マウス / 発生工学 |
研究実績の概要 |
近年ゲノム編集技術が登場し、それを用いた動物個体における標的遺伝子のノックアウト(KO)実験は盛んに行われている。その主流は、受精卵へゲノム編集成分を直接顕微注入する「zygote injection(受精卵への顕微注入)」であるが、そのためには、高価な装置とそれを操作する人的スキル、受精卵の採取、注入胚の仮親マウス生殖道への移植等の煩雑な処置が必要となる。本研究では、この様な「受精卵への顕微注入」には拠らない、遺伝子改変個体を簡便に作製するための新たな技術を模索している。具体的には、我々が開発をしてきた幾つかの簡便な遺伝子導入手法に対し、CRISPR/Cas9(CRISPR系)ゲノム編集技術の適用可否を検討し、これを遺伝子改変マウス作製のための新たな基盤技術として活用したいと考えている。 平成28年度は、これまでに確立されているGONAD法の改良研究を行った(実験1)。また、上記主旨に則り、遺伝子改変個体の簡便な作製系の構築にこれまでの経験から役立つと思われる、着床前胚への核酸/試薬複合体を用いた遺伝子導入系を利用した実験(実験2)、胎盤経由による妊娠中期胎仔への核酸導入系を利用した実験(実験3)にそれぞれ着手した。 その結果、(1)GONAD法の改良研究においては、遺伝子改変個体の作製効率の向上がみられた。(2)着床前胚への核酸/試薬複合体を用いた遺伝子導入系を利用した実験では、着床前胚の回収とその培養系を立ち上げて透明体除去に関する手技を確認し、本研究に使用する試薬類の選定を行った。また、交雑群マウスを利用して採卵数を増やすこととした。(3)胎盤経由による妊娠中期胎仔への核酸導入系を利用した実験では、EGFPを有する妊娠中期胎仔に対して、数種の遺伝子導入試薬を用いて遺伝子導入を実施してこれが機能することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した平成28年度の研究計画に基づいておおむね順調に研究は進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、平成28年度の研究を継続すると共に卵巣および精巣における遺伝子導入系を用いたゲノム編集核酸の導入実験を実施する。
|