研究課題
バキュロウイルスは自身が持つ100以上の遺伝子を巧みに利用することで,高度な宿主制御を実現し,子孫ウイルスの産生を最大限にすることが明らかになっている.これまでの研究は,個々のウイルス遺伝子の機能解析に重きが置かれてきたが,それらの機能が最終的にどのように統合され,ウイルス産生が最大化されているかはほとんど理解されていない.本研究では,カイコ核多角体病ウイルス(Bombyx mori nucleopolyhedrovirus; BmNPV)感染培養細胞におけるトランスクリプトーム,メタボローム,および数種ヒストンマークによるChIP-seqデータを利用して,バキュロウイルスによる宿主細胞制御を代謝とクロマチンレベルで調査してきた.今年度は、ChIP-seqデータの詳細な解析を行ったが,BmNPV感染、非感染で顕著な差は認められなかった.そこで,他の手法としてATAC-seqを用いた比較を試みた.RNA-seqデータと組み合わせて考慮すると,シャットオフを受ける遺伝子と受けにくい遺伝子との間で,クロマチンの状況が異なることが示唆された.一方,昆虫個体内における感染拡大におけるARIF-1の役割,BmNPVによる宿主行動操作に関与するBm96の機能解析についても進捗があり,学会発表を行った.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://papilio.ab.a.u-tokyo.ac.jp/igb/