メチオニンはタンパク質を構成する重要なアミノ酸だが,哺乳類は細胞内で合成することができず,ウシなどの反芻動物のほかは,我々ヒトを含めて食物から摂取せねばならない。従って,植物でのメチオニン生合成の制御は重要であり,古くから研究がなされた。1980年代までに,シスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)がメチオニン生合成の制御段階を触媒すること,また,メチオニン投与に応答してフィードバック制御されることがわかったが,その機構は不明であった。我々は,すでにCGSをコードするmRNAの翻訳段階でのフィードバック制御を明らかにしているが,本研究により,翻訳後の段階での制御の一端を明らかにすることができた。
|