本研究では膵がんに対する新たな治療薬を開発することを目的として、膵がんに発現する糖鎖の構造解析を行った。その結果、膵がんに発現する糖タンパク質糖鎖の構造を明らかにするとともに、膵がんの新たな糖鎖マーカーと、それに結合するrBC2LCNレクチンを同定した。そして、新たな創薬標的として期待される膵がんに発現するrBC2LCNレクチンの糖タンパク質リガンド群を同定した。さらに、rBC2LCNに薬剤を融合したレクチン-薬剤複合体を作製し、各種膵がん移植マウスモデルの腫瘍周囲、腹腔内や、静脈に投与した。その結果、作製したレクチン-薬剤複合体は劇的な抗がん作用を示すことが明らかとなった。
|