研究課題
腎不全の早期診断、低侵襲での原因疾患特定を行うため、平成28、29年度までに進めてきたセリン、アラニン、プロリン、アスパラギンの「三次元LC/LC/MS分析システム」および「三次元LC/LC/LC」システム開発に加え、平成30年度は、腎不全におけるキラルアミノ酸プロファイリングの全体像を明らかにするため、様々な関連化合物分析装置開発を進めると共に、臨床検体を分析し病態との関連解明を進めた。セリン、アラニン、プロリン、アスパラギンに加え、様々なキラルアミノ酸、および類縁化合物(ヒドロキシ酸、ペプチドなど)に焦点を当て、ヒト臨床検体での正確な高感度分析を可能とするLC/LC/LC三次元分析システム、LC/LC/MS/MS四次元分析システムを開発した。分析法としては3種の分離モードを組み合わせた三次元LC/LC/LCシステム、または2種の分離を組み合わせたLCにMS/MSを接続した四次元法とし、高い選択性と定量性の両立を図った。一次元目は逆相分離とし、二次元目には陰イオン交換型高分離能カラム、または様々な相互作用を併せ持つミックスモードカラムをデザイン・作製して利用した。三次元目では高性能セミミクロ光学分割カラムのデザインを継続して行った。四次元法は、逆相とキラル分割を組み合わせた二次元LCと二次元質量分離を組み合わせたシステムを開発した。実際のヒト腎不全臨床検体におけるキラルアミノ酸分析として、慢性腎不全コホートサンプルを用いキラルアミノ酸のプロファイリングを行った。その結果、従来の二次元HPLC分析法では定量困難であった軽度腎不全検体においても良好にキラルアミノ酸分析が可能であり、早期診断に極めて有用であるという知見を得た。また、キラルアミノ酸のみではなく、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ペプチドなど様々な代謝関連化合物についても三次元LC/LC/LC分析法の構築を行った。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://soyaku.phar.kyushu-u.ac.jp/