本研究では、申請者が同定したリゾホスファチジルセリン(LysoPS)受容体を介するLysoPSの機能解析をLysoPS受容体KOマウスを用い行った。特に、LysoPS受容体はT, B細胞をはじめとする免疫系の細胞に特異的に発現するため、本研究では抗原免疫応答に対するLysoPS受容体の機能解明を行った。抗原免疫モデルにおいて、KOマウスでは顕著なT細胞、B細胞数の増加を認めたことから、LysoPSシグナルは免疫抑制作用を発揮することが判明した。また、リンパ球が活性化する状況でLysoPSが顕著に増加することを見出した。今後、LysoPSの産生機構を明らかにする上で重要な知見が得られた。
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