研究課題/領域番号 |
16H05086
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川島 博人 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (50260336)
|
研究分担者 |
平川 城太朗 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (30609160)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | オートファジー / 大腸炎 / 腸内細菌 / 抗菌ペプチド |
研究実績の概要 |
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease; IBD)の発症とオートファジー関連遺伝子の一塩基多型の相関が報告されているが、その発症機構には不明な点が多い。そこで本研究では、大腸上皮細胞特異的オートファジー欠損マウス(cKOマウス)を作製して、大腸炎発症におけるオートファジー欠損の影響を解明するとともに、腸内細菌バランスの正常化に基づくIBD新規治療法開発の分子基盤を確立することを目標とする。本年度はまず始めに、独自に樹立したGlcNAc6ST-2-Cre トランスジェニックマウスをAtg7-floxマウスと交配し、大腸上皮細胞特異的にオートファジー関連遺伝子Atg7を欠損するcKOマウスを作製した。得られたcKOマウスの大腸上皮細胞において実際にAtg7が欠損することを、その遺伝子産物のAtg7に対する抗体を用いた免疫組織染色およびウエスタンブロット解析により確認した。さらにオートファジーによって選択的に分解されるタンパク質p62の蓄積が起こることをウエスタンブロットにより確認した。次に、滅菌水に溶解したDSSを自由飲水させることにより、野生型マウスおよびcKOマウスに大腸炎を惹起した。大腸炎の指標である体重の減少および下痢・血便を指標とした病理スコアを毎日比較解析するとともに、実験開始後10日目に大腸組織を摘出し、組織学的解析を行うことにより、大腸炎の発症を評価した。その結果、cKOマウスにおいて顕著に大腸炎が増悪化することが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸特異的オートファジー欠損マウスにおいて、大腸炎の増悪化が認められたため。
|
今後の研究の推進方策 |
腸内細菌に対するモノクローナル抗体の作製を進める。
|