研究課題
本研究は、ヒトのがん細胞株においててヒストンH4が高アセチル化修飾(H4K5acK8ac)されたクロマチン領域を1ヌクレオソーム単位の高分解能で検出する新規のクロマチン解析技術を開発し、疾患細胞におけるエピゲノム異常の形成機構とその可塑性を理解することを目的とする。本年度は、昨年度までに取得したヒト肺がん細胞株のヒストンH4高アセチル化のクロマチン免疫沈降シークエンス(ChIP-seq)データと遺伝子発現変動プロファイル解析に基づき、分化ステージの異なる細胞間でのエピゲノム制御機構を比較するため、神経系の3種類のヒト細胞株でのゲノム規模データの取得を行った。具体的には、ヒト膠芽腫の幹細胞株、ヒト膠芽腫の分化細胞株、ヒトミクログリア細胞株でのChIP-seq条件を検討・最適化し、ヒストンH4K5acK8acのエピゲノムマークを特異的に認識するモノクローナル抗体を用いたChIP-seq解析を行った。次に、アセチル化ヒストンタンパク質に選択的に結合するBETファミリータンパク質であるBRD4のChIP-seq解析を行い、一部のエピゲノム修飾マークとの比較解析を行った。さらに、BETファミリータンパク質に対する阻害剤であるJQ1化合物を各細胞株に投与した後のChIP-seqおよび遺伝子発現変動プロファイル解析を行った。これらの結果について昨年度までに得られた肺がん細胞株での結果との比較解析を行い、BETファミリータンパク質阻害剤が異なるがん細胞株や異なる細胞分化ステージにもたらす影響の共通点と相違点を検討した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
https://www.riken.jp/research/labs/bdr/epigen_drug_discov/index.html
https://www.bdr.riken.jp/jp/research/labs/umehara-t/index.html