研究課題/領域番号 |
16H05092
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
西田 基宏 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 教授 (90342641)
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研究分担者 |
西山 和宏 九州大学, 薬学研究院, 特任助教 (60810116)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動模倣薬 / メカノバイオロジー / イオンチャネル / TRPC / P2Y6R / 心血管疾患 |
研究実績の概要 |
本研究では、運動できない患者に運動を模倣できる薬の開発を目標に、その分子基盤となる創薬標的分子の同定及びその病態生理学的役割の解明を目的とした基礎研究を実施した。 特に心筋・骨格筋・平滑筋細胞膜に共通して存在するメカノ作動性膜タンパク質(TRPチャネルやGタンパク質共役型受容体)の機能に着目し、その遺伝子欠損マウスを中心に運動における役割解析を調べた。 その結果、筋細胞膜上に存在するTRPC3/6チャネルタンパク質が運動模倣薬の標的分子となることを実証するため、様々な心血管病態モデルをTRPC3/6チャネル欠損マウスと掛け合わせて、その後の心血管機能回復を評価した。その結果、抗がん剤投与によって誘発される心筋萎縮がTRPC3欠損により抑制されること、下肢虚血後の末梢循環障害がTRPC6欠損によって抑制されることを見出した。TRPC3タンパク質は細胞膜上にある活性酸素生成酵素NADPH oxidase 2 (Nox2)と複合体を形成することでNox2タンパク質分解を抑制し、結果的に心筋萎縮や線維化(心筋硬化)を引き起こすことがわかり、TRPC3-Nox2複合体を阻害する既承認薬(イブジラスト)が抗がん剤投与による筋毒性(心筋萎縮や骨格筋重量の減少)を軽減できることをマウスで実証した。一方、TRPC6チャネルは末梢血管の平滑筋細胞に存在しており、虚血によりその発現量が大きく増加すること、発現増加に伴って活性上昇したTRPC6が平滑筋細胞の増殖型から収縮型への表現型変化を負に制御することが明らかとなった。TRPC6阻害化合物をマウスに投与したところ、運動負荷マウスと同様に、下肢虚血後の末梢循環障害が劇的に改善されることが実証され、そのメカニズムが血管成熟の促進にあることを新たに見出した。 以上の結果から、TRPC3/6チャネルが虚血性心血管疾患の新たな治療標的となる可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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