研究課題
上皮細胞は、多細胞生物の体内外表面を覆い、皮膚・肝臓・腎臓などの主要な臓器の機能と構造を担う生体内最多の細胞群である。上皮細胞間には、クローディン(Cldn)ファミリー蛋白質により構築されるタイトジャンクション(TJ:密着結合)が存在し、細胞間透過性(バリア機能)が制御・変調されることで、直接的にはTJ近傍の組織微小環境、間接的に組織微小管環境変化を惹起し、その影響を受けた生体機能が生理的・病理的な変化につながる。申請者は、複数のCldnノックアウト(KO)マウスを解析することで、TJ機能がバリアとして機能するばかりでなく、栄養吸収や肝胆汁循環などの、生体の正常機能に欠かせないことを示してきた。本申請では、ゲノム編集技術を用いてCldnを発現しない上皮細胞の樹立を進めた。Cldn欠失細胞の解析実験に使用するCldn欠失細胞の樹立の過程で、想定以上に樹立効率が悪く、Cldn欠失細胞の解析実験に必要な細胞の樹立に時間を要したが、1系統の細胞で樹立でき、解析を進めた。現在、論文化を目指している。同時に、解析を強化する複数の実験系へと展開を進めている。また、Cldnの結晶構造解析結果が得られたことから、特に、マウスCldn15では正確なPDB構造データが得られている。申請者は、構造解析を基盤に、分子動力学的な解析を試みてきた。複数の数理生物学を行う研究室より、すでに、動力学的な解析が報告されているが、申請者は実験生物学的な解析を行いつつ、所属研究室の独自性をもつ、解析を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (6件) 備考 (2件)
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