研究課題
リン脂質輸送担体の変異体での全身性RNA干渉の効果を解析した。変異体を2alleles使用して、rsd-3変異体(既に我々が全身性RNA干渉の低下を見出しているもの)との二重変異体でのbli-3遺伝子に対するRNA干渉の表現型(表皮の水泡形成と致死)を調べた。二重変異体では、どちらのalleleを使用した場合でも、rsd-3変異体の表現型を抑圧(全身性RNA干渉が再び有効となる)した。rsd-3変異体以外にも他の研究室で見出された全身性RNA干渉の起こらない遺伝子が知られているが、それらのうち、sid-1は抑圧されなかったが、sid-3やsid-5は抑圧され、これらの抑圧された分子は同一パスウェイで働いていることが考えられる。その他に抑圧分子として同定した亜鉛輸送担体についての解析も進めている。亜鉛輸送担体は線虫でもヒトと同様に、多種類が知られている。細胞質の亜鉛濃度を上昇させるタイプはZIPファミリーに分類され、細胞質の亜鉛濃度を低下させるタイプはZnTファミリーに分類される。我々が発見した分子は、ZIP型であった。この分子がいつどこで働くかを絞り込むために、見つかった遺伝子の他の変異体allelesを分離して、rsd-3に対する抑圧効果を調べたところ、再現が見られたこと、トランスジェニックレスキューできることから、この遺伝子が原因であったことが確定した。また、他のZIPタイプやZnTタイプの遺伝子の変異体を分離して、単独での全身性RNA干渉の表現型、rsd-3との二重変異体での全身性RNA干渉の表現型を調べたが、最初に発見されたもの以外に明確な表現型は観察されなかった。よって、我々が発見したZIPタイプ輸送担体のオルガネラ特異的な局在や、特異的な会合分子が全身性RNA干渉を制御していると推測される。
2: おおむね順調に進展している
我々が発見したrsd-3変異体の抑圧分子の変異体の挙動が少しずつであるが、確実に解明されている。
候補分子のrsd-3抑圧効果が種々の方法で確定したので、分子としての作用機序を明確にする実験を継続する。
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