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2016 年度 実績報告書

免疫反応の多様性を演出する活性化B細胞分化制御機構ーミトコンドリアとB細胞分化ー

研究課題

研究課題/領域番号 16H05138
研究機関福井大学

研究代表者

菅井 学  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90303891)

研究分担者 黒岡 尚徳  相模女子大学, 栄養科学部, 教授 (00293879)
森 健太郎  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50397296)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードミトコンドリア / クラススイッチ組換え / 形質細胞分化
研究実績の概要

申請者は、活性化B細胞に起こる二つのイベント(クラススイッチ組換えと形質細胞分化)は、ミトコンドリアの機能的相違によって事前に方向付けられている事を見いだした。この時ミトコンドリア代謝産物の一つである『ヘム』がシグナル因子として機能している事も明らかにした(Nat. Communs.)。本研究では、この分化制御メカニズムの普遍性と分化する細胞系列の違いによる特異性を明らかにする事を目的として、活性化B細胞から分化する様々な細胞系列におけるミトコンドリアの状態の違いを調べ、さらにミトコンドリア状態の異なる細胞における遺伝子発現や代謝産物の変化を詳細に調べることを目指した。
最初に「記憶B細胞」、「長期生存形質細胞」、「制御性B細胞」のミトコンドリア状況を調べることを行なった。これと並行して、クラススイッチする細胞と形質細胞に分化する細胞の代謝産物の網羅的解析を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、まず活性化B細胞から分化する細胞集団(「記憶B細胞」「長期生存形質細胞」「制御性B細胞」)のミトコンドリア状態を調べるところから実験を開始した。しかし、この実験では以前の予備的実験で得られたデータを安定して得ることができなかったため、研究の遂行が遅れる一因となってしまった。コントロール可能な様々なパラメーターを調整しながら実験を繰り返した結果、ようやく一定の結論が得られそうな状況になったところである。結果が安定しない理由を突き詰めてゆく過程で、それぞれの細胞集団に中に性質のことなった亜集団が存在する可能性が明らかになってきた。
クラススイッチする細胞と形質細胞に分化する細胞の代謝産物の網羅的解析では、あまりにも多くの因子が変化していたため、今後二次的スクリーニングを行う必要性があることが明らかになった。

今後の研究の推進方策

活性化B細胞から分化する細胞には、今まで分類されてきた細胞群をさらに細分化できる亜集団が存在する可能性を見出した。今回新しく見出した細胞の機能と、それぞれの細胞への分化制御機構を明らかにすることを目指す。
クラススイッチする細胞と、形質細胞に分化する細胞の違いを見出すための網羅的解析を実施したが、あまりにも多くの因子に変化が見られたため、細胞分化に関わる本質的因子を同定するための二次的スクリーニングを行うことが必要になった。そこで今年度は、クラススイッチ組換えや形質細胞分化に影響を与えるパラメーターを検索し、その時に変化する因子を網羅的に調べることによって、細胞分化に関わる中心的因子の同定を試みる予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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