• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

免疫反応の多様性を演出する活性化B細胞分化制御機構ーミトコンドリアとB細胞分化ー

研究課題

研究課題/領域番号 16H05138
研究機関福井大学

研究代表者

菅井 学  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90303891)

研究分担者 黒岡 尚徳  相模女子大学, 栄養科学部, 教授 (00293879)
林 達成  福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命助教 (80781111)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードB細胞 / ミトコンドリア / 代謝 / 分化
研究実績の概要

我々は、活性化B細胞に起こる二つのイベント(クラススイッチ組換えと形質細胞分化)は、ミトコンドリアの機能的相違によって事前に方向付けられている事を見いだした。この時ミトコンドリア代謝産物の一つである『ヘム』がシグナル因子として機能している事も明らかにした(Nat. Communs.)。本研究では、この分化制御メカニズムの普遍性と分化する細胞系列の違いによる特異性を明らかにする事を目的として、活性化B細胞から分化する様々な細胞系列におけるミトコンドリアの状態の違いを調べ、さらにミトコンドリア状態の異なる細胞における遺伝子発現や代謝産物の変化を詳細に調べることを目指した。
初期の実験では「記憶B細胞」、「長期生存形質細胞」、「制御性B細胞」のミトコンドリア状況を調べたが、以前得ていた予備的実験データと同様の結果を安定して得ることができなかった。そこでコントロール可能な様々なパラメーターを調整しながら実験を繰り返した結果、ようやく安定した結果が得られるようになった。結果が安定しない理由を突き詰めてゆく過程で、それぞれの細胞集団中に性質の異なった亜集団が存在する可能性が明らかになってきた。もともと想定していた細胞集団がさらに細分化されたことによって、当初の計画より実験の遂行が困難となった。解析を計画していた細胞の生体内での細胞数はかなり少なく、この細胞をさらに細分化する必要性が出てきたことから、細胞の調整に大量のマウスを用いた実験を行うことが必要となった。
本年度は、これらの細胞集団を単離するために必要な予備実験まで終了した。複数のマウスを用いた実験においても目的とする細胞を安定して供給できる実験系を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、まず活性化B細胞から分化する細胞集団(「記憶B細胞」「長期生存形質細胞」「制御性B細胞」)のミトコンドリア状態を調べるところから実験を開始した。しかし、この実験では以前の予備的実験で得られたデータを安定して得ることができなかった。その後の解析から、実験が安定しない理由の一つとして、それぞれの細胞集団内にミトコンドリア活性の異なる亜集団が存在することも明らかになった。このデータを得るためには、複数のマウスに同じように免疫することによって個体間のブレの少ない反応を誘導することが重要であるが、この実験は思った以上に細かいノウハウが必要であり、その技術的な習得に時間がかかってしまったことが研究の遅れを招いた原因である。

今後の研究の推進方策

目的とする細胞集団を安定して供給できる実験系を確立したため、目的の実験を実施する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Publication Preview Source Loss of Stemness, EMT, and Supernumerary Tooth Formation in Cebpb-/-Runx2+/-Murine Incisors2018

    • 著者名/発表者名
      Saito K., Takahashi K., Huang B., Asahara M., Kiso H., Togo Y., Tsukamoto H., Mishima S., Nagata M., Iida M., Tokita Y., Asai M., Shimizu A., Komori T., Harada H., MacDougal lM., Sugai M. and Kazuhisa B
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 5169

    • DOI

      10.1038/s41598-018-23515-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Publication Preview Source Id2 Determines Intestinal Identity through Repression of the Foregut Transcription Factor Irx52018

    • 著者名/発表者名
      Mori, K, Nakamura, H, Kurooka, H, Miyachi, H, Tamada, K, Sugai, M,Takumi, T, Yokota, Y
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol

      巻: 38 ページ: e00250-17

    • DOI

      10.1128/MCB.00250-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Publication Preview Source Inflammatory responses induce an identity crisis of alveolar macrophages leading to pulmonary alveolar proteinosis2017

    • 著者名/発表者名
      Ebina-Shibuya R, Matsumoto M, Kuwahara M, Jang KJ, Sugai M, Ito Y, Funayama R, Nakayama K, Sato Y, Ishii N, Okamura Y, Kinoshita K, Kometani K, Kurosaki T, Muto A, Ichinose M, Yamashita M, Igarashi K.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 292 ページ: 18098-18112

    • DOI

      10.1074/jbc.M117.808535.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tubulointerstitial Nephritis with IgM-Positive Plasma Cells2017

    • 著者名/発表者名
      Takahashi N, Saeki T, Komatsuda A, Munemura C, Fukui T, Imai N, Homma N, Hatta T, Samejima K, Fujimoto T, Omori H, Ito Y, Nishikawa Y, Kobayashi M, Morikawa Y, Fukushima S, Yokoi S, Mikami D, Kasuno K, Kimura H, Nemoto T, Nakamoto Y, Sada K, Sugai M, Naiki H, Yoshida H, Narita I, Saito Y, Iwano M.
    • 雑誌名

      J Am Soc Nephrol

      巻: 12 ページ: 3688-3698

    • DOI

      10.1681/ASN.2016101074.

    • 査読あり
  • [学会発表] Mitochondrial function in cell fate determination of activated B cells2017

    • 著者名/発表者名
      Manabu Sugai
    • 学会等名
      Consortium of Biological Sciences 2017

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi