研究課題
我々はコンドロイチン硫酸(CS)とその受容体PTPRσ、LAR(Type IIa受容体型チロシンフォスファターゼPTPRに属する)の下流でオートファジー中断が誘起されることをはじめて示した。オートファジー中断はautophagosome蓄積を招き、それが軸索先端の特殊なボール様形状dystrophic endballを導き、軸索再生阻害につながることを見出した。そこで、本研究では、この中でブラックボックスとなっている最も重要な課題「受容体型チロシンフォスファターゼの細胞内シグナリング」を解明することを目的としている。本研究は、PTPRとオートファジーの関連について直接エビデンスを示す意味で重要であり、また、オートファジーの神経変性疾患などへの関与を考え合わせると、多様な分野へ影響を与える基盤的研究となる。本研究費を得て、昨年度ついにPTPRσ基質としてアクチン結合タンパク質コータクチンを同定した。そして本年度、コンドロイチン硫酸との結合によりPTPRσが活性化され、その結果コータクチンの脱リン酸化が起き、それによりオートファジーの中でオートファゴソームとリソゾームの融合が中断されることを証明した。さらにオートファジー中断はdystrophic endball形成の必要十分条件となることを明らかにした。また、もう一つの課題であったPTPRσ基質の網羅的探索も成功し、コータクチンを含む多くのリン酸化タンパク質を候補として得た。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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