研究課題
Ca2+チャネル-エピジェネティックス連関における要にある、電位依存性Ca2+チャネル副サブユニットbetaの役割を引き続き解明した。まず、電位依存性Ca2+チャネルがbetaサブユニットを介して、ヒストンアセチル化調節タンパク質と形成する複合体の機能解析を行った。betaサブユニットはプラットフォームとしてヒストンアセチル化酵素HAT、HSC70/ヒストン脱アセチル化酵素会合体HDAC等と動的なタンパク質複合体を形成することがわかった。活動電位が生じた際に、電位依存性Ca2+チャネル本体であるalpha1サブユニットから離れたbetaサブユニットが、HATと相互作用して転写促進するか或いはHSC70/HDAC会合体と相互作用して転写抑制するかは、活動電位のパターンが大きく影響を与えることが考えられた。一方、膵beta細胞の興奮-分泌連関においてbetaサブユニットは、アクティヴゾーンタンパク質ELKSと相互作用し、局所的なCa2+流入を亢進しインシュリン分泌の第一相を促進することを見出した。さらに、脱アセチル化反応の代謝物O-acethyl-ADP-Riboseにより活性化されるTRPM2チャネルは、マウスの行動に柔軟性のみならず、同時にストレス感受性も付与することが明らかになった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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