研究課題
課題名「骨代謝共役を担うクラストカイン-Wntシグナルネットワークの解明」骨吸収と骨形成は厳格に共役するが、共役メカニズムは不明である。我々は、破骨細胞の分泌する因子[クラストカイン)の、骨代謝共役に対する作用を解析した。1.破骨細胞の分泌するLIF(Leukemia inhibitroy factor)の作用解析:RANK(receptor activator of NF-κB)ヘテロ欠損マウスを用いて、海綿骨におけるスクレロスチン発現は、破骨細胞が分泌するLIFによって調節されていることを明らかにした。2. Wnt5aの役割の解明:破骨細胞のRor2→Daam2→RhoA→PKN3→Srcシグナル経路を活性化して骨吸収活性を誘導した。PKN3特異的阻害剤は、破骨細胞形成を阻害することなく、破骨細胞の機能を抑制した。卵巣摘出マウスにおける骨量減少をPKN3特異的阻害剤は効率よく防止した。なお、Rykリガンドの決定:破骨細胞がRykリガンドを分泌する可能性が示唆されたが、その実態は明らかにできなかった。3. 骨芽細胞特異的ビタミンD受容体VDR欠損マウスの解析:活性型ビタミンD製剤であるエルデカルシトール投与による骨量増加作用は、骨芽細胞特異的ビタミンD受容体VDR欠損マウスでは起こらないことを明らかにした。活性型ビタミンD投与により誘導される骨吸収も骨芽細胞のVDRを介する可能性が示唆された。4. 骨代謝共役を担うクラストカインの同定と作用機構の解明:破骨細胞が分泌するクラストカインの解析において、破骨細胞はHtrA1(high-temperature requirement A serine peptidase 1)を分泌して、OPG (Osteoprotegerin)を効率よく分解することを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Commun Biol
巻: 2 ページ: 86
10.1038/s42003-019-0334-5.
J Steroid Biochem Mol Biol
巻: 177 ページ: 70-76
10.1016/j.jsbmb.2017.11.005.