研究課題
基盤研究(B)
弾性線維は、皮膚・動脈・肺など伸び縮みする組織に多くあって、その伸縮性を担う細胞外マトリックスである。加齢に伴う弾性線維の劣化が皮膚のたるみ・動脈の硬化・肺気腫などの原因となるが、弾性線維が再生されることはないとされている。本研究では、我々が弾性線維形成に関与することを見出した分泌タンパク質Fibulin-4, 5, LTBP-2, 4の生体内でのはたらきを分子レベルで研究し、弾性線維再生の基盤となる知見を得た。
病態分子医学
老化に伴って私達の体は伸縮性を失ってゆく。皮膚はたるみ、動脈は硬くなり、肺が縮みにくくなって呼吸機能が低下する。これらは、伸縮性を担う弾性線維が劣化・断裂していくことに起因する。弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、成長期を過ぎると弾性線維は再生されないとされるが、その理由はわかっていない。本研究は、弾性線維がどのようにして作られるのか、そのしくみの一端を明らかにしたものであり、弾性線維再生に必要な基盤的知識となるものである。