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2018 年度 実績報告書

尿細管細胞機能変換を介した腎内炎症環境制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H05147
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

森口 尚  東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (10447253)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードGATA2 / リポ多糖 / 敗血症 / 感染防御 / 細菌人工染色体 / トランスジェニックマウス / ヒスタミン / アナフィラキシー
研究実績の概要

これまでの解析から、転写因子GATA2は急性腎臓病時の腎内炎症を活性化させる機能をもつことがわかった。そして、複数の炎症性サイトカイン遺伝子の発現が、GATA2の影響下に制御されることがわかった。本年度は、GATA2欠損が全身的な炎症に与える影響についても解析を進めた。グラム陰性菌内毒素であるリポ多糖(LPS)投与による急性の敗血症誘導に対して、GATA2へテロ欠損マウスは野生型コントロールと比較して有意に耐性を示した。敗血症時には、ヒスタミン産生亢進がアナフィラキシーショックや肺水腫をもたらす。そこで、ヒスタミン産生の律速酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素遺伝子座を含むBAC DNA(大腸菌人工染色体)を用いたGFPレポータートランスジェニックマウス(Hdc-GFPマウス)を樹立し、生体内でのヒスタミン産生細胞モニターリングを試みた。その結果、LPS誘導性敗血症時には、肺にヒスタミン産生細胞が最も顕著に遊走されることが分かった。さらに、GATA2へテロ欠損マウスではヒスタミン産生細胞の遊走が軽減した。これらの結果から、GATA2は敗血症時の肺への炎症細胞浸潤とヒスタミン産生を亢進させる因子であることが示唆された。次に細菌感染による敗血症モデルとして、盲腸結紮穿孔(CLP)腹膜炎誘導に対するGATA2へテロ欠損マウスでの症状を検討した。その結果、GATA2へテロ欠損マウスはCLP腹膜炎による急性期の炎症誘導に対しては耐性を示すが、その後の病期には腹腔内の細菌感染の遷延とそれに伴う慢性炎症を示すことが分かった。これらの結果から、GATA2は炎症性サイトカイン産生亢進による急性期炎症惹起にかかわる機能があるが、病原細菌に対する防御機構を担う機能も持つことがわかった。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] ミシガン大学医学部(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ミシガン大学医学部
  • [雑誌論文] Spiral ganglion cell degeneration-induced deafness as a consequence of reduced GATA factor activity2019

    • 著者名/発表者名
      Hoshino Tomofumi, Terunuma Tsumoru, Takai Jun, Uemura Satoshi, Nakamura Yasuhiro, Hamada Michito, Takahashi Satoru, Yamamoto Masayuki, Engel James Douglas and Moriguchi Takashi
    • 雑誌名

      Genes to cells

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] A Gata3 3′ Distal Otic Vesicle Enhancer Directs Inner Ear-Specific Gata3 Expression2018

    • 著者名/発表者名
      Moriguchi Takashi、Hoshino Tomofumi、Rao Arvind、Yu Lei、Takai Jun、Uemura Satoshi、Ise Kazue、Nakamura Yasuhiro、Lim Kim-Chew、Shimizu Ritsuko、Yamamoto Masayuki、Engel James Douglas
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology

      巻: 38 ページ: 21-21

    • DOI

      doi: 10.1128/MCB.00302-18

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 転写因子GATA3 の内耳特異的エンハンサー2018

    • 著者名/発表者名
      森口尚
    • 学会等名
      第84回日本生化学会東北支部会.
  • [学会発表] 腎集合管細胞での転写因子GATA2機能阻害による急性腎障害抑制効果2018

    • 著者名/発表者名
      森口尚
    • 学会等名
      第91回日本生化学会年会
  • [学会発表] A Gata3 3' distal otic vesicle enhancer directs inner ear-specific Gata3 expression2018

    • 著者名/発表者名
      森口尚, 山本雅之, エンゲル ジェームスダグラス
    • 学会等名
      第41回 日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 副腎髄質交感神経系でのZnフィンガー型転写因子GATA2の生理機能2018

    • 著者名/発表者名
      浅香智美,河合佳子,森口尚
    • 学会等名
      第41回 日本分子生物学会年会
  • [学会発表] ヒスタミン産生細胞レポーターマウスを用いたアレルギー・炎症反応のイメージング2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      新学術領域研究 予防を科学する炎症細胞社会学 第1回班会議
  • [学会発表] GATA2によるサイトカイン産生亢進を介した炎症促進メカニズム.2018

    • 著者名/発表者名
      森口 尚
    • 学会等名
      新学術領域 予防を科学する炎症細胞社会学 班会議.
    • 招待講演
  • [学会発表] Histidine decarboxylase transgenic BAC DNA directs histamine producing cell-specific inducible gene expression2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第84回例会・シンポジウム
  • [学会発表] ヒスタミン産生細胞レポーターマウスを用いたアレルギー・炎症反応のイメージング2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      第67回日本アレルギー学会学術大会
  • [学会発表] ヒスチジン脱炭酸酵素レポーターマウスを用いたアレルギー・炎症反応のイメージングの試み2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、島田昂志、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会
  • [学会発表] ヒスチジン脱炭酸酵素レポーターマウスを用いたアレルギー・炎症反応のイメージングの試み2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、島田昂志、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      In vivoイメージングフォーラム2018
  • [学会発表] ヒスチジン脱炭酸酵素レポーターマウスを用いたヒスタミン産生細胞のイメージングの試み2018

    • 著者名/発表者名
      高井淳、島田昂志、森口尚、大津浩、山本雅之
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
  • [備考] 東北医科薬科大学医化学教室研究紹介

    • URL

      http://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/lab/dmbc/

  • [備考] 遺伝性感音難聴が発生する仕組みを発見-感音難聴原因遺伝子の内耳特異的発現制御メカニズムの解明

    • URL

      http://www.tohoku-mpu.ac.jp/university/news-university/12257/

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公開日: 2019-12-27  

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