研究課題/領域番号 |
16H05148
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90291426)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | がん / 代謝 / 低分子量GTP結合タンパク質 / Ral |
研究実績の概要 |
低分子量GTP結合タンパク質Ral及びその抑制性活性制御因子RalGAPの癌や代謝、炎症等における役割を解明することを目的とした研究である。Ralの活性化因子RalGEFの多くはRasの下流エフェクター分子であり、Rasが活性化すれば、Ralが活性化する。そのため、特に癌の領域でRalは注目されている。RalGAPは我々が世界に先駆けて見いだした分子である(J Biol Chem, 2009)。活性サブユニットであるα1サブユニットあるいはα2サブユニットと、共通のβサブユニットからなる複合体としてはじめて機能的になる。われわれは膀胱癌の悪性化において、RalGAPの発現低下によるRalの活性化が重要な働きをすることを報告した(2013,Oncogene)が、海外より、血糖値調節における重要性も報告されている。我々は、ralGAPを同定したアドバンテージを最大限生かし研究を進めているが、平成29年度には以下の研究が進んだ。
これまで、臨床的にRalの関与が示されている膀胱癌や膵癌は、Rasの変異の頻度が高い癌であるが、Rasの変異の頻度が低い癌である口腔内癌について、Ralの関与を解析した。口腔内癌においてもRalの活性化が生じており、主としてRalGAPの発現低下によるものであった。また、このRalGAPの発現抑制についてエピジェネティック制御を解析した。これらの結果を現在、まとめており、平成30年度中に誌上発表する計画である。炎症性大腸癌におけるRalの関与についてRalGAP欠損マウス等を用いて研究を進めている。膵癌の発症および転移、および膵機能におけるRalの機能について、本年度はツールの準備を終え、来年度に本格的な実験を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔内扁平上皮癌・大腸がんについての研究がほぼまとまり、膵癌・膵機能を解析するための準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は以下を重点的に解析を進める。 ・Ralの口腔内扁平上皮癌における役割の論文化。 ・Ralの大腸癌における役割の論文化。 ・Ralと膵癌の関係のデータ集積。 ・Ralと膵機能の関係のデータ集積。
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