今後の研究の推進方策 |
1.筋特異的 KO マウスの解析を行う。病理学的解析として、HE 染色、Gomori-trichrome 染色などの通常の組織化学的染色とともに、シノビオリン、PGC-1β、NRF2 に加え、サルコペニア関連分子 (collagen VI, GDF11, Irisin, Beclin 1, FNDC5, mTOR, IGF-1, PI3K, atrogin-1, LC3, PDGF receptor α, Pax7, MyoD, myogeninなど) の免疫組織化学的染色を行う。さらに、電子顕微鏡による解析を行い、ミトコンドリア数をカウントする。ミトコンドリア機能解析として、骨格筋組織は重量を測定後、OROBOROS Oxygraph にてミトコンドリアの呼吸能を測定する。また、関連因子の発現量の解析を、リアルタイム PCR 法によりミトコンドリア合成、エネルギー代謝、ならびに atrogin-1 や myostatin などの筋萎縮に関与する遺伝子の mRNA レベルでの発現量定量を行う。 2.阻害剤の検討を行う。当研究室では約 40 種類のシノビオリン阻害剤を有している。これらの化合物の中で 2 種類について PGC-1β とシノビオリンの相互作用を阻害し抗肥満薬として効果を有していることを報告している。本研究で骨格筋でのシノビオリンの二元的シグナル経路の各寄与度が明らかになる。したがって、40種類の化合物を、in vitro 結合阻害実験、in vitro ユビキチン化阻害実験、細胞内での結合阻害実験、細胞内でのユビキチン化阻害実験にて再評価し、より選択的な候補化合物を決定する。
|