前眼部発生のキーとなる転写産物を得ることが出来た。その転写物は,既知遺伝子エクソンの途中から転写が始まっており,通常の方法では同定できないくらいの発現量である。ペプチドタグ付きの遺伝子組換えマウス作成でも,この短い転写物によると思われるタンパク質が確認出来ており,虹彩,角膜上皮の初期発生に重要な遺伝子を同定出来た。 M-MLV(マウス白血病ウイルス)由来の逆転写酵素を利用したswitching 法による遺伝子5’末端の同定は,逆転写反応時の5’末端へのリンカー付加の効率化とリンカーが連続して繋がる作用(concatamerization)を工夫して抑制することによって,極めて効率的に可能である。
|