研究課題/領域番号 |
16H05162
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (40449921)
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研究分担者 |
Horlad Hasita 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 研究員 (00644840)
浅野 謙一 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (10513400)
大西 紘二 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (40613378)
藤原 章雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (70452886)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マクロファージ |
研究実績の概要 |
全身臓器に存在するマクロファージは、様々な刺激で活性化し種々のサイトカインを産生することで様々な病態の形成に関わっている。マクロファージの活性化を人為的に制御できれば、多くの病気の治療に応用できる可能性がある。CD163はマクロファージに特異的に発現するスカベンジャー受容体であり、多くの腫瘍/非腫瘍性疾患において有意に発現が増加することが知られているが、その意義については未解明である。本研究では、ヒト各種疾患の病理検体やヒト培養細胞、動物モデルを利用してCD163を介したマクロファージ活性化がどのように腫瘍あるいは種々の炎症病態へ関与するのかを明らかにしたい。CD163の診断マーカーとしての可能性や、CD163の活性化経路を阻害または活性化するという新しい治療戦略の提案につなげたい。28年度の研究では以下の点を明らかにした。 悪性リンパ腫組織においてCD163陽性マクロファージはPD-L1/2を強発現しており、そのメカニズムにはIL-27/Stat3経路が関与していた。腎細胞癌においてはPD-L1/2の発現を解析したところ、TAMにおけるPD-L1/2発現は見られなかった。淡明型腎細胞癌での陽性例は約100症例中6症例程度であり、既存報告とはあわないデータであった。乳頭状腎細胞癌においては約3割の症例に陽性であった。CD163ノックアウトマウスを用いて、発癌やメタボリックシンドロームにおけるCD163の意義についても解析途中である。脂肪細胞とマウスマクロファージの共培養実験を行ったが、明らかな活性化分子の同定には至らず、今後も研究を継続していきたい。炎症性腸疾患とマクロファージにも関連性があるので、大腸炎モデルも研究してみたが、特段の研究成果は得られなかった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ある程度まとまった研究は、その都度論文として発表している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、研究を進めていく。 特許などに関係の無い内容であれば、途中経過でも学会発表を行う。
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