研究課題
全身臓器に存在するマクロファージは、様々な刺激で活性化し種々のサイトカインを産生することで様々な病態の形成に関わっている。マクロファージの活性化を人為的に制御できれば、多くの病気の治療に応用できる可能性がある。我々は、病理学教室という特性を生かして、これまでヒトの様々な病態におけるマクロファージ、特にM2のマーカーであるCD163/CD204に対する免疫染色を施行し、M2マクロファージとがんの臨床病理学的因子の相関性について解析してきた。CD163はマクロファージに特異的に発現するスカベンジャー受容体であり、多くの腫瘍/非腫瘍性疾患において有意に発現が増加することが知られているが、その意義については未解明である。昨年度は、遺伝子改変マウスを用いてCD163の機能の一端を明らかにし、論文発表を行った。CD163KOマウスでは腫瘍の発育が抑制され、IL6などの腫瘍促進性作用を有する因子の産生が抑制されていた。また、ヒト乳癌や腎癌、肉腫でもCD163, CD204に関する新たな知見を発表することができ、培養実験などを追加しつつある。
2: おおむね順調に進展している
昨年度は、遺伝子改変マウスを用いてCD163の機能の一端を明らかにし、論文発表を行った。乳癌や腎癌でもCD163, CD204に関する新たな知見を発表することができた。
現在は、肉腫、肺癌、乳癌における微小環境における免疫細胞の役割について研究を進めている。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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