研究課題
癌微小環境において、近年周囲の間質細胞による抗がん剤耐性への寄与が相次いで報告されている。間葉系幹細胞はTunneling nanotubesを細胞間に形成しそれを介したミトコンドリアの移動を行うという報告がされている。我々はこのオルガネラの移動ががん細胞の抗がん剤耐性化に寄与しているのではないかと考えた。PKH67で標識し、さらにそのミトコンドリアをmitoTrackerで染色した細胞をがん細胞と共培養したところ少数のがん細胞内に標識されたミトコンドリアが確認された。次にドキソルビシンで処理を行ったところがん細胞内への標識ミトコンドリアの移行は増加した。次にマウスの大腸がん細胞であるCT26細胞からエチジウムブロマイド法でミトコンドリア呼吸能の低下した細胞を作成し間葉系幹細胞と共培養したところコントロールと比較してより顕著なミトコンドリアの移行が確認された。このミトコンドリア移行に昨年度認められたClaudinを介した癌細胞-間葉系幹細胞の細胞接着が関与している可能性が示唆された。抗癌剤はミトコンドリアDNAに結合し早期からミトコンドリアDNA損傷を介した機能不全を惹起することが報告されておりミトコンドリア移行による呼吸能の回復が抗がん剤耐性に寄与する可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、ES細胞を用いたクローディン抗体安全性を検討するのと並行して、細胞間オルガネラ移行へのクローディンの関与を検討し知見を得た。
次年度は、ES細胞などを用いたクローディン抗体安全性について総括を行う。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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