研究課題
本年度では、claudin-4の標的化において影響を与えると考えられる、clostridium perfringensの影響について検討を行った。clostridium perfringensは食中毒菌として知られるが腸内や口腔内の常在細菌でもあり、その産生するclostridium perfringens enterotoxin (CPE)はclaudin-4およびclaudin-3を標的としtight junctionを障害し粘膜を損傷する。このCPEにより膜表面のclaudin-4が細胞質内にinternalizeすることが認められた。口腔扁平上皮癌においては、細胞質内claudin-4はYAPと結合し核内に移行し、YAP活性化を促進する。一方、大腸上皮では、細胞質内claudin-4はHippo抑制系と複合体を形成し安定化することでYAPの遊離を生じYAP活性化をもたらした。とくに大腸癌ではBRAF変異体を有するものでCPEによるYAP活性化が強く見られた。これらの結果は、claudin-4標的化のツールとして期待されるCPE-C末断片(C-CPE)の適応について示唆を与えるものと考えられる。一方、抗claudin-4抗体を用いたclaudin-4標的化ではclaudin-4は細胞内移行しないためYAP活性化はもたらされなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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