研究課題/領域番号 |
16H05168
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
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研究分担者 |
大内 憲明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90203710)
梅田 みか (渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
亀井 尚 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10436115)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 癌 / 転移 / ナノ粒子 / イメージング / 診断 |
研究実績の概要 |
がん転移はリンパ管や血管を通して起こるが、リンパ行性転移は血行性転移よりも病初期段階において進行が観測される。そのためがん患部からのリンパ液が最初に流れ着くリンパ節(センチネルリンパ節)に注目し、リンパ節内のがん細胞の有無を高確度で調べることは、がん転移早期診断や根治にとって極めて重要である。本研究では、(1)蛍光とX線CTを融合したマルチモーダルイメージングにより、がん患部に接続するセンチネルリンパ節を高精度で特定する方法の開発、(2) センチネルリンパ節に微小転移したがん細胞を逃さず検出する方法の開発、(3) リンパ節内に転移したがん細胞の増殖や浸潤の様子を可視化しリンパ節転移が他臓器へ拡大する機序の解明、を行うことを目的とする。 平成28年度は、蛍光能とX線吸収能を保持するマルチモーダルナノ粒子を合成するため、小粒径の量子ドット(蛍光ナノ粒子)のシリカコーティングを行い、「量子ドット内包シリカ粒子(量子ドット/シリカ)」を合成した。シリカコーティングでは、Tetraethoxysilaneの反応条件(濃度、時間)を検討し、最適な条件で量子ドットのカプセル化を行った。その後、「量子ドット/シリカ」の表層にアミノ基を担持させ、「アミノ基担持の量子ドット/シリカ」とした。また別粒子として、液相還元法により微小金ナノ粒子を合成した。その後「アミノ基担持の量子ドット/シリカ」と「金ナノ粒子」を適切な量比で反応させることにより、両粒子がほぼ1:1で結合した「量子ドット/シリカ/金ナノ粒子」を合成することに成功した。さらに本ナノ粒子が蛍光能とX線吸収能の両機能を併せ持つことを予備的な実験から確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書では蛍光能とX線吸収能を保持するマルチモーダルナノ粒子の合成を目指しており、計画の目的をおおむね達成しているため。
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今後の研究の推進方策 |
合成した「量子ドット/シリカ/金ナノ粒子」を用いたマルチモーダルイメージングにより、センチネルリンパ節に微小転移したがん細胞を逃さず検出する方法の開発、リンパ節内に転移したがん細胞の増殖や浸潤の様子を可視化しリンパ節転移が他臓器へ拡大する機序の解明、を行う。
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