研究課題
基盤研究(B)
研究代表者は、遺伝性肥満MC4R欠損マウスを用いて、肥満やインスリン抵抗性を背景として、脂肪肝、NASH、肝細胞癌を経時的に発症する動物モデルを作製し、その病態メカニズムの解明に取り組んでいる。本研究では、誘導性に短期間でNASHや肝細胞癌を発症する新たな動物モデルを開発し、さらに肝細胞死を核として組織リモデリングを促進する微小環境(CLS)を見出した。これにより、種々の薬剤によるNASH治療効果を効率よく検討するとともに、その作用機序の一端が明らかになった。
内分泌代謝学
近年、数多くの抗糖尿病薬が上市され、糖尿病治療は、単に血糖値を低下させるのみならず、合併症を予防することに重点が置かれるようになってきた。即ち、脂肪肝やNASHに対する抗糖尿病薬の効果が注目されている。そこで本研究では、種々の薬剤のNASHに対する薬効評価を実施した。CLSに着目することにより、治療効果の定量的評価が可能となり、作用機序の一端も明らかになるなど、今後の治療法の開発に資すると考えられた。