研究課題
NLRP3結合因子であるアクチン調節因子gelsolinの欠損J774-1細胞(マウスマクロファージ株)クローンの解析を進めた。前年度までの研究により、gelsolinはNLRP3インフラマソームの形成(caspase1の活性化とpyroptosis)とapoptosisを負に制御することを見出している。一方、NLRP3インフラマソームはミトコンドリア上で形成されることが知られている。LPSとnigericinで細胞を刺激し、細胞質画分とミトコンドリア画分を分取しウェスタンブロットを行った。その結果、gelsolinはNLRP3インフラマソーム形成に際して細胞質からミトコンドリアに移行することを見出した。蛍光免疫染色法にても同様の所見を得た。一方、gelsolinの欠損により細胞質内のNLRP3はインフラマソーム形成誘導前にも関わらずミトコンドリアと結合することを見出した。これらの所見よりgelsolinは細胞質内のNLRP3と結合し、インフラマソーム形成刺激下のNLRP3のミトコンドリアへの移行を抑制していることが示唆された。Gelsolinはアクチン調整のみならず抗apoptosis作用を有することが報告されている。一方、血清中の可溶型gelsolinの抗炎症作用も報告されているがその分子メカニズムは不明である。本研究はgelsolinのユニークな抗炎症作用と共にNLRP3インフラマソーム形成の新たな分子制御機構の発見につながる。尚、困難であったGsn-floxedマウスは本年度中に完成した。今後は個体レベルでgelsolinの抗炎症制御機構の生理的意義を解明する。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
Am J Reprod Immunol.
巻: 83 ページ: e13241
10.1111/aji.13241
Immunobiology
巻: 225 ページ: 151860
10.1016/j.imbio
Ann Rheum Dis.
巻: 78 ページ: 1346-1356
10.1136/annrheumdis-2018-214885
Arthritis Res Ther.
巻: 21 ページ: 14
10.1186/s13075-018-1802-x
Nat Commun.
巻: 16 ページ: 2755
10.1038/s41467-018-05044-4
Cancer Sci.
巻: 109 ページ: 2130-2140.
10.1111/cas.13648