研究課題
本研究は、マラリア原虫の感染ステージであるメロゾイトとスポロゾイトで共通にロプトリーに局在する分子RON3について、スポロゾイトにおける役割を解析することを通じて、宿主細胞との相互作用を解明する糸口をつかもうとするものである。これまでに、スポロゾイトステージ特異的にRON3遺伝子発現を抑制することで、RON3が蚊の唾液腺侵入には必須ではないが、哺乳類の肝細胞への侵入に重要な役割を担うことを見出してきた。RON3がスポロゾイトの肝細胞侵入時に、細胞外で機能を有するのかを明らかにするために、RON3の特異抗体を作成し、これによりスポロゾイトの細胞侵入に影響が見られるか検討した。RON3は2240アミノ酸残基を超える大きなタンパク質であり、これまで立体構造が解明されておらず、また機能を予測させるドメイン構造も知られていない。そこで、構造予測アルゴリズム(Phyre2)を用いることで、アルファヘリックス領域を選択し、そのうちタンパク質が十分量合成されたものについて、ウサギを免疫し抗体を作成した。これをGFP発現スポロゾイトと混合し、肝由来培養細胞に添加し2日後に固定した後、肝内型原虫を蛍光抗体法で検出する。その結果、前年度報告したものに加えて、もう一種類の抗体がスポロゾイトの培養肝細胞への侵入を有意に阻害することを見出した。さらに、これらの抗体によるスポロゾイトの侵入阻害効果が、抗体の濃度に依存することを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Parasitology International
巻: 68 ページ: 17~23
10.1016/j.parint.2018.10.001
International Journal for Parasitology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Frontiers in Cellular and Infection Microbiology
巻: 8 ページ: -
10.3389/fcimb.2018.00413
Nature Microbiology
巻: 3 ページ: 1224~1233
doi: 10.1038/s41564-018-0254-z
Cellular Microbiology
巻: 21 ページ: e12964~e12964
10.1111/cmi.12964
https://www.m.ehime-u.ac.jp/school/parasitology/