研究課題
1.TSST-1のスーパー抗原活性の影響を排除するため、スーパー抗原欠損TSST-1 (mTSST-1) 遺伝子を組み換えたStaphylococcus aureus とTSST-1非産生株 をマウスの子宮頚管に感染させた。子宮の生菌数はmTSST-1遺伝子組換え菌で多く、子宮腔付近の上皮において菌の局在と組織傷害が顕著であった。また、子宮におけるオートファジーの発現強度はmTSST-1遺伝子組換え菌で低かった。これらの結果は、mTSST-1はスーパー抗原活性非依存性にオートファジーを抑制し、子宮における細胞外菌の生育を促進していることを示唆している。2.TSST-1以外の病原因子の関与を排除するため、S. aureus非病原株 (RN4220株) にTSST-1遺伝子を組み換えた株を作製し、マウスに経静脈感染させた。感染5日目の脾臓、肝臓、腎臓中の生菌数を評価すると、RN4220株感染と差が認められなかった。両株の比較実験はさらに詳細な検討が必要である。3.本研究者らがオートファジーの抑制を示す分子を発見し、その遺伝子欠損マウスを作製したが胎生致死であったため、改めてコンディショナルマウスを作製し、現在継代により皮膚特異的欠損ホモマウスのスクリーニングを行っている。一方、オートファジー関連分子の皮膚特異的コンディショナルノックマウスを作製し、欠損ホモマウスのスクリーニングを行っている。
2: おおむね順調に進展している
平成29年度に予定していた実験は順調に進み、データが得られている。
現在スクリーニングをしているSeptin-7皮膚コンディショナルノックアウトマウス及びAtg5皮膚コンディショナルノックアウトマウスの早期使用を目指し、黄色ブドウ球菌持続感染におけるオートファジーの役割を解明する一方、子宮頚管感染による毒素性ショック症候群の発症とTSST-1の関係性を生体レベルで立証したい。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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