研究課題
oipA遺伝子のコドンを大腸菌に最適化し、組換え全長OipAタンパク質の発現系を確立した。組換えOipAタンパク質は大腸菌の外膜に局在していたことから、OipAが外膜タンパク質であることを生化学的に明らかにした。また変性条件下での組換えタンパク質の精製と、リフォールディング法を確立し、大腸菌の1L培養から1mgの組換えタンパク質を得ることが可能となった。ピロリ菌の病原因子は病原因子間で相互作用しているのではないかと考え、ピロリ菌の膜タンパク質複合体の解析を行った。その結果、OipAを特定の分子量のゲル (102-222 kDa間) から検出した。単量体OipAの推定分子量は32kDaであることから、OipAがピロリ菌の膜領域で多量体を形成しているか、または他分子と複合体を形成していることが示唆された。さらに、ピロリ菌膜内でのOipA相互作用分子の探索として、精製した組換えOipAタンパク質からウサギポリクローナルOipA抗体を作製し、これを用いた免疫沈降によりOipAの相互作用分子の探索を行った。野生株とoipA欠損株の免疫沈降サンプルをSDS-PAGEゲルで比較解析したところ、野生株ではOipAタンパク質は抗体により検出され、さらに共沈降されたタンパク質もみられた。このことから、ピロリ菌内でOipAは他の分子と相互作用していることが考えられた。OipAタンパク質を胃上皮粘膜細胞と共培養して、マイクロアレイにて解析したところ、OipAタンパク質は炎症性サイトカインであるインターロイキンー8の発現にはかかわっていないことが推測されたが、表面接着に関与するFAKなどの発現に関与していることが示唆された。また、国際共同研究として、アジア各国で分離培養されたピロリ菌におけるoipA遺伝子の構造についても検討を行い、ほぼ全例でoipA遺伝子がスイッチオンの状態であることを確定した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (26件) (うち国際共著 16件、 査読あり 26件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 8件、 招待講演 9件) 図書 (1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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