研究課題
基盤研究(B)
ピロリ菌の重要な病原因子OipAおよびCagAの組換え全長タンパク質の作成に成功し、質量分析にて、OipAがピロリ菌の膜領域で多量体を形成しているか、またはCagAなどの分子と複合体を形成していることを世界で初めて示唆する結果を得た。さらに、血清中のCagA抗体を日本で最も正確に測定できる系を確立した。また胃粘膜組織に近い2次元ガストロイドと呼ばれる小臓器の作成にも成功、今後のピロリ菌と胃粘膜の相互作用の研究を促進できる系を樹立した。
消化器感染症
今回、我々が作成した血清中のCagA抗体を測定する系では、日本人由来のピロリ菌を材料としており、欧米のピロリ菌を用いている市販キットに比べて、正確性が高く、今後の汎用が期待される。また、今までは、ピロリ菌と胃粘膜との相互関係を調べるのに、胃がん細胞株が用いられていたが、2次元ガストロイドという新しい系を確立したことで、今後の基礎研究の飛躍的な発展が期待される。