今後の研究の推進方策 |
生まれつき常在菌を持たない無菌マウスにおいても同様に、インフルエンザウイルス特異的免疫応答が減弱しているかを確認するために、C57BL/6無菌マウス(三協ラボサービス)とSPF マウスに非致死量のインフルエンザウイルス(A/PR8)を経鼻的に感染させて、感染7, 14, 21 日後の血中のウイルス特異的IgG, IgA 抗体価をELISA 法で、肺のウイルス特異的CTL をH-2Db Influenza NP Tetramer(MBL)による染色後のフローサイトメトリー解析で、肺胞洗浄液中ウイルス力価はMDCK 細胞を用いたプラークアッセイ法で測定する。これにより、SPF マウスと比較して無菌マウスでインフルエンザウイルス特異的免疫応答の低下が認められた場合、ヒトの糞便懸濁液またはSPF マウスの糞便懸濁液を無菌マウスへ投与して、腸内細菌を6週間かけて生着させる(それぞれを、ヒト腸内細菌移植マウス、SPF 腸内細菌移植マウスとする)。インフルエンザウイルス感染後、ヒト腸内細菌移植マウス、SPF 腸内細菌移植マウス、無菌マウスと比較して、ヒト腸内細菌移植マウスやSPF 腸内細菌移植マウスでウイルス特異的なIgG, IgA, CTL 応答が回復するかを確認する。また腸内細菌叢由来代謝産物が、インフルエンザウイルス特異的な免疫応答に影響を与えている可能性を検討するため、Abxマウスに、酪酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、乳酸を投与し、非致死量のインフルエンザウイルスを感染させて、感染7, 14, 21 日後の血中のウイルス特異的IgG, IgA 抗体価をELISA 法で、肺のウイルス特異的CTL をH-2Db Influenza NP Tetramer(MBL)による染色後のフローサイトメトリー解析で、肺胞洗浄液中ウイルス力価はMDCK 細胞を用いたプラークアッセイ法で測定する。
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