研究課題
iPS細胞から様々な組織が再生構築可能になっている。我々はこれまで血球系細胞の分化、なかでもT細胞の構築に取り組んできた結果、ヒトCD8陽性T細胞の再生に成功した。一方で、サルでの前臨床試験の必要性を鑑み、アカゲザルiPS細胞の樹立とマクロファージあるいはCD8陽性T細胞への分化誘導にも成功している。しかし、ヒトにおいてもアカゲザルにおいても、CD4陽性T細胞の再構築は出来ていない。本研究は、in vivoにおけるT細胞の選択分化が可能なマウスやアカゲザル個体への移植実験により、CD4陽性T細胞の誘導と定着を目的とする。iPS細胞由来のT細胞が実験動物の個体内でどこまで生着できるか、の検討を行うために、樹立したiPS細胞に、HIV-1阻害因子TRIM5遺伝子やHIV-1やSIV感染に必須なCCR5遺伝子をCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術で人為的に破壊しGFPでマーキングする作業を行ってきた。残念ながら、ヒト由来のiPS細胞では遺伝子導入が成功するのに対して、同じ実験条件ではサル由来iPS細胞には導入できず、H30年度を遺伝子導入効率の向上の条件検討に費やし、TRIM5遺伝子のCRISPR/Cas9によるゲノム編集は可能となり現在はマーカー遺伝子EGFRの導入を行なっている。一方で、樹立したiPS細胞からマクロファージへの分化誘導は安定してできるようになり、マクロファージとしての貪食能を備えていること、SIVmac316の感染が成立することを確認した。現在、TRIM5遺伝子欠損細胞でのHIV感染能獲得を確認している。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 7件、 招待講演 6件)
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