研究課題/領域番号 |
16H05199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宮澤 正顯 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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研究分担者 |
博多 義之 近畿大学, 医学部, 講師 (30344500)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レトロウイルス / 宿主因子 / 複製阻害 / プロテアーゼ / APOBEC3 / 粒子成熟 / Gag-Pol前駆体 |
研究成果の概要 |
APOBEC3はデアミナーゼ活性非依存的にレトロウイルス複製を阻害するが、その分子機構は不明である。我々はマウスAPOBEC3がウイルス構造タンパク質切り出しと粒子成熟を阻害することを発見した。その分子機構は次の通り:1)マウスAPOBEC3はレトロウイルスGag-Pol前駆体に結合し、プロテアーゼ切り出しを阻害する。2)生理的発現量のマウスAPOBEC3が、プロテアーゼ切り出しを阻害出来る。3)この阻害にデアミナーゼ活性中心は必要でない。4)阻害活性はAPOBEC3のC-末端側半分が担う。5)マウスAPOBEC3はウイルスプロテアーゼの65から105番アミノ酸残基の範囲に結合する。
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自由記述の分野 |
ウイルス学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗レトロウイルス薬の多剤併用により、先進国ではHIV-1感染者の生命予後が非感染者のそれに近付いているとされる。しかし、現在用いられている抗レトロウイルス薬では耐性株出現が不可避であり、若年感染者が短期間に治療を必要とするようになる現状からも、新たな作用機序を持つ抗HIV薬開発が喫緊の課題である。プロテアーゼ阻害薬は、活性部位への結合や二量体化の抑制を指標に開発されて来た。我々の研究成果を基礎に、Gag-Pol前駆体からのプロテアーゼ切り出しを阻害する薬物のシーズを宿主因子の分子構造から探ることにより、有効でかつ副作用の少ない新規抗レトロウイルス薬の開発に貢献できる可能性がある。
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