私たちの体を感染症やがんから守るT細胞は、胸腺にてつくられる。本研究では、胸腺でのT細胞の生成を制御する胸腺上皮細胞に注目し、その分化のしくみと機能を明らかにすることをめざした。様々な遺伝子改変マウスを用いた解析の結果、未熟T細胞に発現する膜型RANKLが髄質上皮細胞の分化に必須であることが明らかになった。また、日本人に高頻度に存在するPSMB11遺伝子多型によって皮質上皮細胞の機能が損なわれ、T細胞の抗原認識が変化することが明らかになった。さらに、特殊なT細胞集団であるγδT細胞にも着目し、γδT細胞の分化を制御する胸腺環境因子およびシグナル伝達分子を明らかにした。
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