研究課題
本研究の目標は、循環器分野における Precision Medicine を実践し、大規模データベースの発展的な活用を行うことにあった。具体的には施設レベルでのベンチマーキングと並行し、PCIの潜在的リスクとされる出血・腎障害の予測モデルの構築や検証を行い、その後に個別に同意書やカテーテル レポートに具体的な手技リスクの提示を行っていくことを主目的としている。データベースの入力項目の選定はデータベースの質を決定する上で極めて重要なウエイトを占めるが、当研究班のデータベースは米国循環器学会の National Cardiovascular Data Registry と提携しており、米国の ACC や AHA といった主要学会でも採用されている客観性に富み、さらにこれまで定期的にアップグレードされてきている項目を使用している。現在のところ、① 患者背景、② 冠動脈血管造影や PCI の術中情報、③ 院内予後・合併症、さらに ④ 退院後長期予後の収集も開始し、その検討を開始している。その主要な成果に関しては主要な学会発表ならびに学術誌に公表されており、このうちいくつかは国内の診療ガイドラインにも引用されている(JCS 2020 Guideline Focused Update on Antithrombotic Therapy in Patients With Coronary Artery Disease; JCS 2018 Guideline on Diagnosis and Treatment of Acute Coronary Syndrome)。今後はさらに国際協力施設との連携を深め、我が国で規定される診療ガイドライン推奨の遵守率の算出や推移の評価、さらに主要な院内予後(出血・腎障害)に関する基本的な補正式をどのように EHR (電子カルテ)に落とし込んでいくか具体的な検討を行う予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 2件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件)
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