本研究成果により、(1)脂肪細胞のブラウニングインヒビターLR11遺伝子は成熟脂肪細胞への分化前に発現してブラウニングを抑制することで白色脂肪に誘導する可能性のあること、(2)ヒト体内にベージュ脂肪が存在し他の脂肪と異なった減量治療反応性を有すること、及び、(3)糖尿病や肥満症患者において、血中可溶性LR11値の変動は、体脂肪量よりも合併症に強く関わることが明らかになった。これらの細胞生物学研究と検査学研究の結果から、血中可溶性LR11は病的脂肪変容を反映し、新規の『活性化脂肪細胞』マーカーとなる可能性がある。
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