研究課題
平成30年度までの研究結果に基づき、陽子線照射スポット位置誤差の統計的/確率的評価に基づく線量分布誤差、ロバスト性評価方法を構築した。移動する標的腫瘍に対して、陽子ビームの照射方向/スキャン方向を考慮し、ゲート幅を可変とした照射ゲーティング法による4次元線量分布最適化方法を考案した。多方向照射(強度変調を含む)を用いた治療計画において、生物学的効果等を考慮したがん病巣と重要臓器(Critical Organ)のロバストな最適目標線量分布形成方法を考案し、がん病巣線量・正常臓器線量のトレードオフスタディに適用した。開発した一連の手法、技術を治療計画、治療評価プロセスに沿って段階的にシステム化し、実際の治療現場に活かせるようにした。線量分布に関しては、実際の陽子線治療センターにおいて、QA、ビーム照射実績塔によって検証した。並行して、本研究で得られた総合的な知見を、スポットスキャニング粒子線治療の新たなガイドラインとして、他の粒子線治療施設と協力して、医学物理学会を通じて提案している。(1) 装置性能、位置決め、標的の動きで生 じるスポット位置誤差の確率的/統計的評価に基づき、線量分布誤差低減と照射効率向上の観点でロバストなスキャニング線量分布形成方法を提案した。また、生物学的効果等を考慮した一方向、多方向照射陽子線線量分布形成法に基づくロバストな治療計画評価方法を構築した。(2) 動く標的の空間移動方向と陽子ビームの照射方向/スキャン方向を考慮し、可変ゲート幅を用いた照射ゲーティングによる4次元線量分布最適化方法を考案した。(3) 空間的位置誤差の評価に加え、生物学的効果等も考慮した病巣と隣接重要臓器の線量分布を評価し、トレードオフスタディを実施した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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