研究課題/領域番号 |
16H05237
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
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研究分担者 |
近藤 夏子 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (00582131)
高田 卓志 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (60444478)
田中 浩基 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (70391274)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 硼素中性子捕捉療法(BNCT) / 高速中性子 / 生物学的効果比 / 粒子線治療 / 放射線計測 / 品質保証/品質管理(QA/QC) / 医学物理 / 放射線工学 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、主に液体および固体の両二重ファントムに関する生物学的効果比(RBE)評価実験を行った。評価実験は、京都大学研究炉(KUR)の重水中性子照射設備において、基準熱中性子照射モード、基準混合中性子照射モード、基準熱外中性子照射モードの3種類の照射モードについて行った。二重ファントム内の中心軸上に、細胞の入ったテフロン製容器を配置し、照射実験を行った。SCCVII腫瘍細胞およびU87の2種類の細胞を用いた。また、各照射モード・各細胞系にてホウ素化合物を混入した系としない系との比較実験も行った。 RBE評価実験と並行して、物理特性評価実験も引き続き行った。中性子束、中性子線量率、γ線線量率に関するファントム内中心軸上の深部方向分布の測定を行った。中性子束は放射化箔法で、γ線線量率はTLDを用いて測定した。また、電離箱による中性子およびγ線線量率測定も行った。 RBE評価実験に関しては、液体ファントムについても固体ファントムについても、ファントム材質中の6Liの有無で、同じ位置深さの細について、生存率に大きな違いがあることが確認できた。特に、ホウ素化合物の有無でその差は大きかった。6Liの混在によりファントム内での熱中性子および二次γ線の発生が抑えられるという当初の予想どおりのものであり、物理特性評価実験による結果とも良い対応を示した。 従来の1種類のファントムだけを用いる手法と比較して、中性子、特に高速中性子成分に対するRBE評価の高精度化における「二重ファントム」の有効性を確認できた。令和元年5月現在、細胞の生存率に関する深部方向変化と、物理線量率に関する深部方向分布との比較を行い、中性子に対するRBEを評価しているところである。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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