研究課題
BOSHI研究では、順次400名にハガキにて案内を送付し、転居などのない286名に追跡の連絡を行った。141名に実際に電話連絡が取れ、92名が質問票調査に参加し、うち、71名が来院した。来院した対象者に生化学検査、内分泌学的検査、尿検査、脈波伝播速度測定、脈波増大係数測定、FMD測定を実施し、母児ともに自宅にて家庭血圧測定を2週間にわたり行った。結果の回付を郵送並びに面談で実施し、測定したデータはデータベースに格納した。BOSHI研究のベースライン調査のデータに基づいて、分析を行った。BOSHI研究対象者妊婦のうち、妊娠20週以前に研究に参加した765名で、双胎妊娠や高血圧合併妊娠を除く734名の追跡結果を分析した。対象者喫煙群・受動喫煙群・非喫煙群の3群にわけたところ、それぞれ、36人、355人、341人であった。妊娠高血圧症候群発症率はそれぞれ、11.1%、11.8%、6.5%と3群間に有意差を認めた。妊娠中期にかけての血圧低下は受動喫煙群、喫煙群で非喫煙群に比較して減弱していた。家庭血圧と外来血圧を比較したところ、妊娠初期では相関係数が低かったが、経過につれて相関係数が高くなった。血圧の朝晩比較では、収縮期血圧で、妊娠初期に1.6mmHg朝の血圧が高かったが、妊娠中後期では0.3-0.5mmHgと差が縮小した。拡張期血圧は2.9mmHgから2.0mHgの間であった。エコチル調査の追加調査では、家庭血圧のデータならびに活動量計のデータとその他の基礎特性データの突合を行った。三世代コホート調査では、家庭血圧測定の平均値を計算し、外来血圧と比較できる基礎データを生成した。大迫研究では一般成人における家庭血圧の診断基準について国際比較を行った。妊娠中の家庭血圧についても単施設研究から多施設共同研究での検証が必要と考えられた。
2: おおむね順調に進展している
実際に電話連絡が取れた対象者についてはおおむね良好な反応であった。倫理指針や個人情報保護法の改正にあわせ、同意説明文章やデータハンドリングの方法をブラッシュアップした。共同研究先にデータを提出する際も効率よくハンドリングできるようになった。
多くの対象者は就労していると考えられるので、コンタクト可能な時間を適宜検討し、より多くの対象者と直接にコンタクトできるように引き続き調整を行う。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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http://www.tohoku-mpu.ac.jp/laboratory/PHHE/