労働者における死亡や長期疾病休業といった重大な健康障害の予防のため、職域多施設研究で収集された健康管理情報に基づく疫学データベースを使用して、1)心血管疾患の発症、2)「重大疾病群」(在職死亡及び30日以上の休業に至った疾病)の発生、3)糖尿病発症に関するリスク予測モデルを開発し、その精度を評価した。糖尿病と心血管疾患は比較的高い予測精度であったが、重大疾病群の予測精度は中等度であった。これらのリスク予測ツールは、労働者に予防行動を促す動機付け支援として活用できるほか、ハイリスク者を同定することで保健医療資源の効果的・効率的な投入に役立てることができよう。
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