研究課題
欧米以外で地域住民を対象とした心不全に関する疫学研究がない。そこで、吹田研究を用いて、潜在性心不全と血圧・脂質との関係を解析することを目的とした。吹田研究では同一コホート対象者を2年毎に健診受診勧奨し、健診に合わせてBNPの測定と、生活習慣問診を行っている。今回、追跡可能な2774名を解析対象者とした。潜在性心不全はBNP≧100pg/mLまたは心不全治療とした。潜在性心不全と血圧・脂質との関係についてCox比例ハザードモデルを用いて解析した。18134人年の追跡中に、294名の潜在性心不全がみられた。正常収縮期血圧、正常non-HDLC (130-179mg/dL)を基準にした場合、潜在性心不全の罹患ハザードリスク(95%信頼区間)はそれぞれ、収縮期高血圧で1.64 (1.16-2.30)、低non-HDLC(<130mg/dL)で1.47 (1.15-1.88)であった。正常収取機器血圧でかつ正常non-HDLCを基準にした場合、潜在性心不全の罹患ハザードリスク(95%信頼区間)は、収縮期高血圧で正常non-HDLCで1.53 (1.01-2.31)、収縮期前高血圧でかつ低non-HDLCで1.76 (1.02-3.04)、収縮期高血圧でかつ低non-HDLCで2.44 (1.58-3.76)であった。都市部地域住民を対象としたコホート研究で、収縮期前抗血圧でかつ低non-HDLCは潜在性心不全症の危険因子であることが分かった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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