研究課題/領域番号 |
16H05253
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
Hanley Sharon 北海道大学, 医学研究院, 特任講師 (80529412)
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研究分担者 |
松岡 悦子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (10183948)
櫻木 範明 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (70153963)
伊藤 善也 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70241437)
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / HPV検査 / 自己採取 / 検診 / 受診向上 |
研究実績の概要 |
2016年度は、子宮頸がん検診受診向上の目的として日本国内で行っている自己採取HPV検査の意義や普及を主に医療関係者に周知することを目的として、国内の学会で三つ、国際学会で二つ、合計で5回研究発表が行った。さらに、長年自己採取用の器具の受け入れや自己採取と医師採取の検査結果一致率を研究してきてロンドン大学のルイーズ・カドマン氏、エジンバラ大学のケート・クシエリ博士を尋ね、HPV自己採取検査の問題点や注意点を学んだ。 HPV検査開始準備の段階、Hybrid Capture 2 (Qiagen) や Cobas 4800(Roche)を使用する予定だったが、全社のメーカーの都合により実施することが出来ないと判明した。その為、もう一度ロンドン大学を訪問し、北海道大学大学病院で採取した検体を日本国内ではなく、ロンドンに直接送り、そちらで測定を行うように決めた。送る前の準備(プロトコール)や処理について現地で学んだ。ロンドン大学以外にHPV自己採取検査の未受診者を対象に、2017年から正式に国家プログラムを導入するオーストラリア、ビクトリア州にあるVictoria Cytology Service(VCS)にも訪問した。VCSは尿の自己採取HPV検査は実施していないが、これは非侵襲的であり、日本でも検討すべきと指摘された。 最後に当事者である20代女性の10名にFocus Group調査が行い、Evalyn BrushよりHerSwabの方が見た目で受け入れが高いと明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年8月、HPV検査開始準備の段階、当初器機メーカーと打ち合わせを行っていた検査方法が、メーカーの都合により実施出来ないと判明した。検査方法を再検討した結果、ロンドン大学では当該検査を行うことが出来ると分かり、検査依頼と倫理申請に4ヶ月の期間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
・奈良女子大学(400 名)と日本赤十字北海道看護大学(200 名)の学生と北海道大学(600 名)の学生と教員は学部と学年で4 つの群に無作為化により割り付ける。4 つの群に指示する内容は以下の通りである。Group 1 とGroup 2は自己採取器具1(Evalyn Brush)を、Group 3 とGroup 4 は自己採取器具2(Her Swab)を用いる。またGroup 1 とGroup 3 は教育的介入を行わず、Group 3 とGroup 4 では教育介入を行う。なお、3 大学ではポスター掲示や学内メールにより参加者を募集する。
・北海道大学病院コルポ(膣鏡)外来を受診した100 人を対象として自己・医師採取の結 果一致率を検討する。この外来を受診する者は中等度・高度異形成(CIN2+)を有するものが多いと予測されるからである。この100 人について2 種類の自己採取器具(Evalyn Brush、Her Swab)を用いる群に半数ずつ割り付けて、採取した検体(自己採取検体と医師採取検体)を2 種類のHPV検査(HC2とCobas4800)で分析して、自己・医師採取の結果一致率を求める。
・研究結果の和文および英文による論文発表、関連学会への報告などにより医療係者の意識向上を図る一方、さらに学術的発表にとどまらず、国際シンポジウム、公開セミナーや講演会を通じて、広く市民に研究成果を公開する。
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